マルゼニアンの彰往考来

日本橋丸善を愛する私の大切な「宝箱」

About Art (美術鑑賞)

<丸善と美術界 ③> 岡田三郎助に学んだ洋画家・辻 永 〜山羊を愛した三兄弟が心に描いた “ 理想郷 ”

東京都渋谷区恵比寿三丁目。 サッポロビール工場跡地の再開発事業として 平成6年(1994年)に誕生した複合施設 「恵比寿ガーデンプレイス」にも程近いこの地区は かつて「伊達町」と呼ばれていた。 江戸時代この付近にあった 伊予宇和島藩伊達家下屋敷が そ…

<丸善と美術界 ②> 洋画家 伊藤慶之助を支援した、福澤門下・武藤山治( 時事新報、鐘紡社長 )〜生涯に渡り続いた丸善との縁

昭和 9年(1934年)3月9日 その事件は北鎌倉で起きた。 突如現れた暴漢。 身を呈して主人を守った、1人の青年。 その側で凶弾に倒れる、紳士の姿。 青年の名は「 青木茂 」 彼が自らの命をかけて守った主人は 「 武藤山治 」 福沢諭吉が立ち上げた「 時事新…

<丸善と美術界 ①> 画壇の仙人と呼ばれた、熊谷守一 “ モリ ” の魅力を見出した「木村定三」と名古屋丸善・美術係「木内憲次」

その人の存在を初めて知ったのは いつのことだっただろうか。 一目みた瞬間に思ったのは リアル仙人 ▶︎ 熊谷守一(1976年/96歳のころ) 出 典;『熊谷守一画文集 ひとりたのしむ』(求龍堂刊) しかしその見た目以上に その人の描く独特なタッチの絵 かわい…

丸善の「 立体広告 」を手がけた、夭折の丸善社員・大浦周蔵と「 白馬会洋画研究所 」

明治の終わりごろのこと。 大阪駅前に「三越呉服店」の 大きな看板が掲げられた。 「 婦人像(紫調べ)」 ▶︎「婦人像(紫調べ)」 岡田三郎助 当時三越呉服店(のちの三越)の理事であった 高橋義雄の夫人をモデルに描き、 明治40年(1907年)開催の「東京勧…

明治・新聞事始め 『時事新報』の福澤諭吉 と 『自由新聞』の板垣退助 〜2人を繋ぐ彫刻家

「 大学卒業後は、新聞社に入りたい 」 バブルはとっくに弾け、就職難に突入していた時世。 若さと情熱以外持ち得なかったそんな私を 家族のように温かく迎え入れてくれた新聞社があった。 入社してみると、6大新聞の1社とは思えぬほどの アットホームで、…

「丸善駒込工場」と詩人・高村光太郎 そして妻・智恵子の人生

それでも善い方なのよ傘貸してくれる工場なんか外( ほか )にない事よ 番傘の相合傘の若い女工の四五人連れ午後五時の夕立の中を足つま立って尻はしよりしをらしく千駄木の静かな通を帰ってゆく ああすれちがつた今の女工達丸善インキ工場の女工達 ( 高村光…

祝『學鐙』創刊120周年 〜 北川和男 元編集長が繋いだ、親子三世代 その「心」と「絆」

昨年末の11月25日(金)熱海に新名所が誕生した。 ▶︎ JR熱海駅に登場した駅ビル、LUSCA熱海(ラスカあたみ) (2017年1月27日撮影) 熱海の名産から道中必要な医薬品・日用品までが揃う LUSCA熱海(らすかあたみ) 釜鶴ひもの店を始め、あをき干物店、 老舗和…